KAMINOGE COMMUNICATION DESIGN

STUDENT REPORTS

日本で唯一夜間に開講している美術大学のデザイン学科。
都心へのアクセスのよさも備える
上野毛キャンパスを起点とした行動ってどんなもの?
“STUDENT REPORTS”では
学生たちが気になるスポットをレポートします!

今回はこのWeb企画にご協力いただいている「東京ピストル」さんに
インタビューしてきました。株式会社東京ピストルは2006年に
編集者の草なぎ洋平とデザイナーの加藤賢策によって立ち上げられた
クリエイティブカンパニー。学生取材班が実際に事務所へ
お邪魔させて頂いたので、その様子も合わせて紹介いたします。


まず五反田にある事務所へ。
1Fにはカフェ、室内には鳥かごや鹿の頭蓋骨があったりとオシャレで「さすがデザイン事務所!」といった感じです。ズラリとならぶ本棚に置かれていたのは、なんと本型の鉢植え! これは東京ピストルさんオリジナルのグッズ「本鉢(ほんばち)」なのだとか。可愛いですね〜。

↑ 不要なツブシ本を植木鉢にリプロダクトした本鉢

東京ピストルさんは、なにやら素敵なグッズをたくさん手がけているよう…。最初にこの上野毛デザインのWebを担当しているデザイナー、内川たくやさんにお話を伺ってみました。

──東京ピストルさんではどのようなお仕事をなさっているんですか?

内川 東京ピストルは、企画からイベント、グッズ、編集、デザイン、iPhoneアプリの開発まで、なんでもやってます。僕は東京ピストルのデザイナーのチーフとして、この上野毛デザインのWebを08年からずっと担当しています。

──ではもう2年もお世話になってるんですね! 今までの企画はどうでした?

内川 以前にも今回のように学生主体で制作していたこともありました。企画のもともとのコンセプトは、企画提案から取材のアポ取り、記事制作、はては撮影なども含め、学生主体でやっていくことにより、さまざまなことを学生に学んで頂ければと考えたからです。せっかくの機会なので、制作の裏側を知って欲しいですね。

なるほど。これから1年間よろしくお願いします!

↑ 「いつもペンタブで作業しています」と内川さん

それでは続いて代表取締役・草なぎ洋平さんに迫ります!

──草なぎさんっておもしろいですよね!

草なぎ ありがとうございます! 僕は編集者としては、かなり特殊だと思いますからね。珍しい昆虫みたいなものです(笑)。

──草なぎさん自身はどんなお仕事をされているんですか?

草なぎ 僕個人の仕事でいえば、編集者として本を作るだけでなく、会社案内やデザインと関わるさまざまなものの編集をしたり、プランナーとして企画を出したり、イベントを企画したりもします。現在僕が恒例で主催しているイベントは「休刊ナイト」。休刊した雑誌の編集長をお呼びしてお話しするトークショーです。また6月には近くの古本屋や図書館が一発で検索できるiPhoneアプリ「Mr.Book」をリリースします。これは僕がネタを出し、Qosmoの徳井直生さんという方と一緒に制作しました。 僕の専門はもともと文学だったので、こういう企画を思いついたのです。

↑ Mr.Bookのデモ画面。古本屋やブックオフ、図書館、文学館が日本全国一目で分かる

──文学が専門で、どのようにこの業界へはいったんですか?

草なぎ 僕、大学は経済学部だったんですけど、将来のビジョンが見いだせなくてつまらなかったんです。それで友だちのクラブイベント行っても隅で本読んでいるくらい悩んでいたんです…。

──クラブで本ですか(笑)!?

草なぎ 本の中になにかヒントがあるんじゃないかって思って真剣だったんですよね(笑)。そしたらそのクラブで高校の同級生に偶然再会して、「面白い先生が早稲田大学にいるから」と現代詩作家の荒川洋治さんを紹介してもらったんです。その方がめちゃめちゃスゴい方で、感動してしまって。その方の影響を受けて、文学と編集の世界へ入って行きました。

──ではその先生と出会わなければ、今の草なぎさんもなければ東京ピストルもないと?

草なぎ 間違いないですね(笑)。先生にお会いしたことがきっかけで、友だちとマニアックな文芸同人誌(『月蛙』/3号で終了)を作ることになったんです。それが1999年当時の株式会社イデーの社長だった黒崎輝男さんの目にとまったんです。そこで『SPUTNIK MAGAZINE』というインタビュー本の副編集長をやらせてもらうことになりました。それからですね、僕が文学の世界でもなく、デザインの世界でもない位置で仕事をするようになったのは。丁度中間地点で好きなことをやらせてもらえるようになったんです。

──今後の東京ピストルの方向性は?

草なぎ 今年のテーマは「文系の意地を見せる!」です。2000年代の頃はイデーがデザイン界を牽引していたように文系が圧倒的に強い時代だったのですが、2010年は理系が本当に強い時代ですよね。本や家具などリアルなものは面白がられず、だれもがIT関連の面白さの方に夢中になっています。そんな時代だからこそ、僕自身はデジタルとアナログの中間のものを作っていきたいと思っています。僕は理系的なものを面白いと思っているんですが、全部がそっちに流れてしまうのもどうかと思ってるんですよ。アナログなものがどんどん消えていってる今だからこそ、デジタルとアナログをつなげていく仕事をやってみたいですね。

↑ 「大人のオタク工作」連載中の『大人の科学マガジン』(学研教育出版)を手にする草なぎさん

東京ピストルさんの幅広い分野での活躍の根源に、草なぎさんの姿がはっきりと見えた取材でした。これからも面白いものをたくさん作ってくださいね!

取材・写真:
押上 舞子(3年デジタルコミュニケーションコース)
松野 綾香(3年デジタルコミュニケーションコース)

おまけ
↑ 東京ピストルさんの「“RAMPO”江戸川乱歩完全復刻眼鏡」をかけてはしゃぐ取材班二人(左:押上、右:松野)

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